2019年6月26日水曜日

2015年7月12-13日 南八ヶ岳縦走1日目/観音平--編笠山--権現岳--キレット--赤岳--横岳--硫黄岳【八ヶ岳】



今回は南八ヶ岳を端から端まで行きたいので、八ヶ岳の最南端である編笠山から権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳、そして美濃戸までを歩きます。
このルートだとキレット小屋に泊まるのがベストなのですが、わたしは赤岳頂上山荘に泊まりたいので1日目を頑張るのですよ。

頂上山荘に泊まりたい理由はただひとつ。
“小屋番をしている恩師に会いに行くため”です。

恩師が山から下りてきたタイミングで、呑んだり山に同行したりの計画をするものの残念なことに毎回予定があわず、年に1回赤岳で再会するという流れができあがっています。笑

 去年は美濃戸から赤岳/横岳/硫黄岳、美濃戸へ下りるという王道周回ルートだったので、今年は最南端から行きます。
“観音平登山口”に到着したのはam5:00頃。
日曜日なだけあって、駐車場はほぼ満車状態でした。
登山ポストも投函口から溢れそうなほどいっぱいで、ぐっしゃぐしゃにしながら無理矢理押し込みました。笑

 5:30スタート

早朝と言えどもさすが夏、すでに明るいです。
そしてすでに暑いです。

 葉の隙間からこぼれる朝日を浴びながら、のんびり足慣らし。

観音平から赤岳までは地図上のコースタイムで8時間30分くらいです。
キレット小屋に泊まるなら6時間ちょっとなので、本当ならキレット小屋泊がベストかな。
テントも張れるしね。

 編笠山まではずーっと樹林帯なので、足元に目が行きます。
凛としたお花が目覚めはじめました。

 太陽も山の稜線を越えて、顔を出しました。

 途中“雲海”っていう展望スポットがあるんだけど、本当に雲海だった。
わたしのポンコツカメラでは綺麗に撮れないのが残念。

 とっても大きいきのこ。
わたしの手のひらよりも大きかったよ!

 こもれびスポットライトを浴びて目覚める植物たち。

 道しるべの“小淵沢”を撮っちゃったけど、ここは“押出川”。

 川だけど、枯れている時もあります。
飲用には適さないので飲んだらダメだよ、山でお腹を壊すほど恐ろしいことはないよね。
わたしは鉄壁のお腹なので大丈夫かも。笑

 押出川から先は、急坂のはじまります。
編笠山までずーーっと続くから、気合いで乗りきって下さい。笑
樹林だから楽しくないし、暑いし、とにかくここを抜けたい一心で進みます。

しかも大きな石がゴロゴロ。

 樹林を抜ければ、背後に南アルプス。
先週登りそこねた北岳と精悍で男前のプリンス甲斐駒ヶ岳。
たおやかな仙丈ヶ岳。

足元にコレが見えたら本当にもうちょっと。
急坂の延々の登りと、森林限界を突破したのになかなか山頂に辿り着かずでヘコたれ気味になったところに現れます。

ふひゃー!
天気よすぎる、あつすぎる、山頂はまだかー!!

左端に写るのは南アルプスの裾、真ん中の稜線が入笠山あたり?
1番奥は中央アルプスと御嶽山。
木曽駒ヶ岳よりも、宝剣岳の方がわかりやすい山容だね。
先週はあそこにいたのかぁ〜

am8:30(観音平から3時間)
編笠山に到着〜!!
なかなか体が山モードに突入せず、ゆるだらしてしまった〜

編笠山/2524m
名前のとおり、笠を伏せたようななだらかな山容をしています。
八ヶ岳の最南端に位置する360度ぐるっと大展望のごほうび山頂マウンテン!
南アルプス、北アルプス、中央アルプス、富士山。
そしてこれから目指す南八ヶ岳の面々が大きく聳えていて大迫力。

御嶽山をアップで。
どっしりしていて本当に立派な山だなぁ〜
雪?灰?山頂が灰色がかって見えるね。

北アルプス。
ポンコツカメラめ.....ぼやーっとしてしまって見えにくい。
槍ヶ岳と、穂高連峰、ごそっと切れ込んだ大キレット。

あと5時間くらいかかるけど、そっち行くから待っててね〜!!

20分ほど大展望を堪能して、先へ進みます。
青年小屋まではずっと下って15分くらい。

せっかく編笠まで登ったのに、結構な下りを強いられる。笑
下に見えるのが青年小屋で再び登り返してギボシを越えて右奥の権現岳へ。

遠い飲み屋の青年小屋。
悲しいことにまだ飲む訳にはいかないので、トイレだけお借りします。
可愛いブランコの名前はラブランコ。笑

再び登りのはじまり。
暑くてなのか、単に体力がないのか、足がいつもみたいにサクサク動かない。笑
熱帯のジャングル島を探検しているかのよう。

ノロシ場から正面に待ち構えるギボシ。
右下のザレに登山者がぽつぽつ見えるよ。

じーっと観察してたら、アブに噛まれた。
........こんちくしょう。

こんぺいとうみたいで甘くて美味しそう〜!
こんな岩場によく育つなぁ。

ノロシ場から先は権現岳のお楽しみである岩場のはじまりです。
じわじわ登らされるより、岩場を登る方が楽。
楽しくて夢中になっているうちに終わっちゃうもん。

岩のトラバース箇所には鎖があるけど、足がかりもたくさんあるから使わなくても安心感があるよ。
ゴロゴロしてるけどルートを外さなければ浮き石も少なめでした。

こんもりした編笠山、下って青年小屋、そして今はギボシ。

side menu
ギボシ産ブロッコリーに錦糸たまご添えて。
¥-priceless

side menu
ギボシ産のびたブロッコリーにチリパウダーをまぶして。
¥-priceless

ギボシは基本的に登らずに巻きます。
みんなでよじよじするので、対向者さんがいたらお互い譲り合いの精神でお願いしまする!

ギボシを通過すると、赤岳が一気に近くなります!
1番高いピークが赤岳、左の稜線上に中岳、中岳の後にゴツゴツした横岳、その左に硫黄岳。
明日はあそこまで行って下りますよ。

右端のギザギザが権現岳の山頂です。
手前に見える権現小屋でひとやすみしよう。

am10:00(編笠山から1時間30分)
権現小屋に到着&休憩
相変わらず足が進まない〜...エネルギー不足??

小淵沢の道の駅で購入した“貴陽”というプラム。
種が小さくて皮ごと食べれます。
ジューシーで甘酸っぱくて、疲れたからだに染みます。うまー
あと5個入ってるから、大事に食べよっと。

権現岳の山頂.......まさかのミスで写真撮り忘れました。
みんなあの岩の上に登って写真を撮ってたよ〜

さて、ここから赤岳を目指します。
権現岳から赤岳を目指すのは今日はわたしだけでした。

ぶわぁあぁ〜!
稜線で止められていた雲が、風で巻き上がった。笑
赤岳全く見えず、むしろトレイルも見えず。

権現岳から赤岳はゴソっと切れ込んだキレットになっているので、最初の急下降と最後の登りが頑張りどころ。
下りきってしまえば多少のアップダウンはあるけれど快適な稜線歩きです。

権現岳からの急下降は、ほぼ垂直の60段のゲンジー梯子を下るところからスタート。
高所恐怖症の人はおしりがキュってなるかも。笑

下降中に下を見るとこんな感じ。
高すぎて高度感がよくわからなくなってしまう。笑

第1ハイカーさん発見!
赤岳から権現へ向かう方は合計5名でした。
編笠山や権現岳は人が多いけど、キレットのこのトレイルは人が少なくて静か。

ソロの女の子もいました〜!
真教寺尾根から登ってきて、これから三ツ頭を経由して下りるらしい。
健脚だなぁ〜!!

ペンキをこぼしたような葉っぱがあったよ〜

朝日岳から見る赤岳。
こちらからの赤岳は、大天狗と小天狗の怪岩峰を従えていて勇ましい。
惚れ惚れするなぁ。

シャクナゲ

コマクサ〜♡
タコさんウインナーが鈴なり!!!

am11:00(権現小屋から1時間)
ツルネに到着〜

ツルネの斜面はコマクサまつり!!
いっぱい咲いてる〜♡

こんな石だらけの荒涼とした過酷な場所に根を下ろしているのに、なんでこんなにも可憐で可愛らしいんだろう。
高山植物を見ると元気がわいてくるよ〜!

赤岳と大天狗と小天狗を従えたへっぽこちゅーたです。
ツルネからは稜線の風が強くて、前髪ぶわぁ〜

わたしがここに辿り着くまで、じーっとずーっと大天狗を見つめていた方がいました。
きっと何か想いを馳せているんだろうなぁと思って、お話してみたくて急ぎ足!!
大天狗を見つめていた方はKさんといい、「さっき念願の大天狗に登ったんだ。」と静かに、だけど嬉しそうに教えてくれました。
今日は新たな門出からはじめての登山だったようで、そんなタイミングで出会えて時間を共有できて嬉しかったです。

pm11:30 ツルネを出発
Kさんとまだまだお話したかったけれど、地図上のコースタイムであと2時間ちょっとの行程が残っているのでお別れです。
8月の劔岳の写真を楽しみにしています〜!!

pm11:45(ツルネから45分)
キレット小屋に到着〜

キレット小屋も頂上山荘と同じグループなので、ご挨拶に立ち寄りました。
お土産に持ってきた佃煮を渡しました。ごはんのおともにどーぞ!

水を買ったら、去年の売れ残りの賞味期限切れのオレンジなっちゃんのペットボトルをくれました。
飲み物をかったら賞味期限切れのなっちゃん1本サービスキャンペーンをしているそうです。笑
ありがたくいただきまーす!!

pm12:30 キレット小屋を出発
ここから赤岳まではザレた最後の登りです。
さぁもうひとふんばり、がんばろう!

歩くとカラカラと軽い音をたてて崩れるザレた道。

ツルネまでの稜線とは全く違う、厳しい顔。
ザラザラカラカラと踏みしめるたびに足を取られるから、ちょっと鬱陶しい。

八ヶ岳はコンパクトなのに、苔むした森、美しい沢、岩稜、遠くまで延びるスケールの大きいトレイル、なだらかな山容やゴツゴツ雄々しい山容といろんな表情があって本当に面白い!
ぎゅぎゅっと山の楽しみが凝縮された山だと思う。

フリーズドライのいちごみたい!

ペンキマークを頼りに岩場を登り進めて行く。
権現岳とは違って、気を抜くと小さな石を落石させてしまうから人が多い時は気をつけないと危ないです。

ひとやすみ。

これでもか!ってくらいに印されたペンキマーク。
ちょっとルートを外れると浮き石とザレザレの石ころだらけ、しっかりルートを決めてから足を進めます。

鎖がないとひっくり返りそうになる傾斜の岩。笑
梯子もあるし、トラバースが連続するので足元注意!!

そして目前に迫ってきた赤岳。
てっぺんの裏側にピークが隠れてる。

右の赤岳の稜線から、中岳、阿弥陀岳。
本当は今日阿弥陀岳もピストンしたいけど、思ったより疲れちゃったからまた次のお楽しみ。

暑くて萎れ気味?
わたしも暑くて干涸びそうだよ〜

よーし!
これが本当に本日最後の登りだよー!!
もうちょっとで恩師に会えるぞ〜

pm14:00(キレット小屋から1時間30分)
今日のゴール赤岳に到着〜!

なんだか調子の乗らない足を叱咤しながら、多めの休憩と癒しのお喋りを交えながら、ぽてぽて8時間30分。
コースタイムぴったり〜!ピタリ賞Get〜!わぁーい!!

赤岳先生、いるかな?

入ってすぐに先生(以下、Uさんと呼びます)が出迎えてくれました!
すぐにわたしに気がついてくれて、がっしり握手っ!!
「よく来たね!また会えて嬉しいよ、おつかれさま!」と労いの声をかけてもらって、わたしもホッとひと安心。
やっと心の底から休憩できる〜♪

「今日は宿泊者も少ないから、個室をサービスするよ」

.............!!!
個室!ひとり部屋!やったぁ〜♡
山小屋でひとり部屋だなんて、なんて贅沢なんだろ〜!
さっそく汗臭い服全部ほしちゃお。笑

饅頭と、佃煮と、日本酒、お土産たちもやっとザックから解放されました。
日本酒はもっと吟味したかったんだけど、迷いまくっちゃって呑み慣れてる菊水を選んじゃいました。笑
今度くる時はもっと全体的にセンスの良いお土産にしようと思います。
でも喜んでもらえてよかった〜!
運んできた甲斐があるってもんです^^

Uさんは夕食の支度に取りかかってるから、また後でお話をしよう。

ちょっと外に出て、明日のルート観察。
下にあるのは赤岳展望荘で尖ってるのが横岳、なだらかな硫黄岳。

おや、雲があやしいぞ。

ガスってしまってまっしろけ、寒くなってきたのでフリースを着込んで食堂でビール。

ごはんまだかなぁ〜
わたしは素泊まりなので自炊組なんだけど、ひとりでごはんはさみしいから食堂のはじっこでみんなに混じってごはんにします。

人の夕食を撮らせてもらいました。笑
肉野菜炒めと焼売とパスタに煮物にキャベツサラダ〜!
お米と味噌汁はみんなで配膳です。

わたしはウインナーたっぷりのカレーを作って食べました。
インドカレーの香りがあたりに漂って異様な空間。

日が落ちてもガスは晴れず、むしろ風が強まってポツポツと雨も。
ありゃりゃ明日大丈夫かなぁ。
雨とガスで景色見えなそうなら、縦走せずに文三郎尾根か地蔵尾根からショートで帰ろうかな。

しょんぼりして小屋に戻ると、
「19:30になったらキッチンに入って来ていいよ。20:00に消灯だからヘッデン持ってきてね!」とUさんから声が掛かった〜!!

楽しみにしていた宴のはじまりじゃな!!

キッチンにはスタッフの女の子2人もいて、一緒に呑むことに♡
手前の“やさしい水”の中身はお酒です。笑
女の子達はここから注いで呑んでました、さ.....さすが山の民!!

おつまみも作ってくれました!
じゃがいものカリカリ♡おいしかったぁ〜!!

Uさんとの思い出話や、ディープな山の話、厳しくて過酷な山の体験談、なんでスタッフの女の子が山小屋で働こうと思ったのか...とかたくさんの興味深い話を聞けて素晴らしい宴になりました。
みんな朝早いのに22時すぎくらいまで付き合ってくださってありがとうございました^^

ほろ酔い気分で真っ暗な小屋の階段を登ったら、段に足の甲をぶつけて悶絶したのは内緒です。
おかげで酔いも覚めました。笑

布団に入ったら落ちるようにぐっすり熟睡。
4時すぎに一度目を覚ますと、小屋がガタガタと揺れるような強風が外で吹いていました。
少し明るくなった空はやっぱりガスガスでまっしろ...
朝日は諦めて、再び5時まで眠りにつきました。

(2日目の記事はこちら)

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○コースタイム
観音平(5:30)---編笠山(8:30)---権現岳(10:10)---キレット小屋(11:45)---赤岳(14:00)---(赤岳頂上山荘泊)
(赤岳頂上山荘ホームページはこちら)

○アクセス
観音平登山口 (駐車場あり)
※小淵沢駅からタクシーで20分/約3200円
※シーズンによっては毎日あるぺん号で観音平まで行くバスがあります。

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