2015年9月22日火曜日

2015年7月28~31.8/1 裏銀座縦走+雲ノ平.高天原4泊5日(2日目前編)【北アルプス】




2日目の早朝。
清々しい爽やかな朝の空気を感じるために、外に出てきましたよ。

昨晩は小屋のみんなと楽しい時間を過ごし、そして飲み過ぎました。
コップになみなみとワインを4杯、ふーちゃんの作った日本酒と、缶ビールを2本。
ここは2900mを越える山の上。
多少お酒に強いとは言え、酔っぱらう!あぶない!笑

20時の消灯のあと、持ってきた小説でも読もうかとパラパラ....
いつの間にか、ぐーすかぐーすか。
そして朝までぐーすかぴーすかでした。

そして今、酒くさいネズミが完成しました。
二日酔いにはなりませんでしたが、とても息が酒くさい。
清々しい朝なのに酒くさい。
でも不思議と気分が良くてすっきりしている。

雲の海の彼方から、ゆらゆらと眩しい太陽。
1日のはじまりはとてもエネルギッシュ。

野口五郎岳から見る赤牛岳は、とても大きくどっしりしていて魅力的。
滑らかな稜線は撫でたらすべすべしてそう。
本当に牛の背中みたいに見えてくるから不思議だね。 
読売新道、いつか歩いてみたいなぁ。

赤牛岳の背中を越えて、雲がこちらに流れこんできた。
夜で冷えた空気が太陽に温められて、雲になって動き出す。

小屋に戻る途中で野口五郎岳のピークを眺める。
白肌の野口五郎岳は、朝日で桃色にほんのり美しく染まった。

ひとしきり朝の景色を楽しんだあと、小屋で軽く朝ごはんを食べて出発の準備。
準備をするもののグダグダとダラダラと。笑
野口五郎小屋から離れるのが、小屋のみんなとサヨナラするのがすごく寂しくて、手が進まない。
まだ一緒にいたいなぁ。
でも、今日は1番歩く距離が長いから早く出発しなきゃ。
やっぱりまだここを離れたくないなぁ。

結局、誰よりも準備が遅くなり1番最後。

いつまでも見送ってくれる小屋のみんな。
振り返るたびに、大きく手をふってくれる。
それが嬉しくて、何度も何度も振り返っては手をふって、その繰り返し。
野口五郎岳の裏側にまわってわたしが見えなくなったとき、朝の静かな山に“カーーーーーン”と大きく鐘をひとつ鳴らしてくれました。
なんだかとても心満たされて、力が湧いてきて、涙もじんわり滲みました。

昨日の夜にお父さんが
「ちゅーたはいい表情をしてるから大丈夫。大丈夫、ちゃんと最後まで歩ける。」と、とても優しい笑顔をしながら言ってくれたから、これからの4日間、絶対わたしは大丈夫。

小屋を出て、野口五郎岳のピークまでは約15分ほど。
ゴローゴロゴロの大きな石の上を、朝陽に体を温めながら歩いて行く。

さっきまで赤や橙だった太陽は、少し高く上がっただけで清く白くとっても眩しい。

朝陽でできあがるコントラストはくっきり。
野口五郎岳の前のケルン。

野口五郎岳/2924m
北アルプス中部に位置する、広く白い稜線が続く穏やかで女性的な山容の山。
名前の由来は大きな石がゴーロゴロから五郎、野口は麓の集落から。
野口五郎っていう男性的な名前と、たおやかな山容とのギャップがものすごい。笑

am6:05
出発からたった10分で、本日最初のピーク野口五郎岳に到着!
うしろにはずっと憧れていた鷲羽岳、それから忘れちゃいけない槍ヶ岳。

この素晴らしい山は、野口五郎小屋のみんなが愛する山。
わたしもとっても愛おしく感じました。
また必ずここに戻ってきたい。
次はリン兄とタチ子ちゃんと一緒に!

ここからの眺めは圧巻で、ぐるっと360パノラマどこを見ても山だらけ。
右に見切れているところに烏帽子岳、そこから順番に赤牛岳から続く稜線の真ん中に水晶岳、鷲羽岳、雲がかかってるあたりが双六岳、左端が槍ヶ岳。

今日は、鷲羽岳と水晶岳の後ろ側まで回り込んで雲ノ平経由で高天原温泉まで。
まだまだ先は長いです。
でも先が長いのは楽しみがいっぱいだって言うこと。しあわせ。
昨日2900m地点まで頑張って登ってきたわけだけど、高天原温泉は沢沿いの温泉で標高2060m。
だから縦走途中だというのに下山するかの勢いで約900m下らされる。
そして翌日再び稜線に戻るために登り返さないといけないのです。笑

これから歩くトレイル。
右端の山肌が赤くなっているところを越えると、水晶小屋。
まずはそこまで行くぞ。

赤い山肌から稜線を右に、ゴツゴツした双耳峰が水晶岳。
左にワリモ岳と鷲羽岳。
手前の影は野口五郎岳の影だよ。

すごいね、こんな道が雲の上にあるなんて信じられない。
山を歩いているっていうより、天空にある秘密の島を歩いているみたい。

ラスボスのいるところ、槍ヶ岳。
まだまだ経験値の足りない未熟なわたしは、あと2日ここで修行してあのトンガリを目指す。

写真のまんなか、この斜面を下ったところにハイカーさんが2人いるのが見えるかなぁ。
すごいでしょ、野口五郎岳の稜線。
ここは本当に心地よくて、目をつぶって深呼吸して全身で山の空気を感じながら歩きました。
目をつぶると景色は見えないけれど、この場所により同化できるような気がして。

前を歩く2人のハイカーさんとわたし以外に他に誰もいないから、なんだか未知の惑星に取り残されたみたい。



大真砂子岳の分岐付近から見る鷲羽岳はとても大きく立派。
鷲羽岳は本で見た時に一瞬で心をグっと掴まれた山で、憧れていた山のひとつ。
名前のとおり、鷲が羽を広げたようにのびる稜線がとても印象的でした。
鷲羽岳は明日のお楽しみ。
今日は歩きながらたっぷり愛でるですよ。

am6:45
水晶岳へ向かう道と、湯俣へ下りる分岐点。
先週はここからリン兄とタチ子ちゃんは下りたんだね。
2人が悪天候で行けなかった高天原温泉にちゅーたが行くよ!



小さな池がある。

やまなめくじ〜!
ちょっと小さめだね君は。
山の養分をたっぷり吸収して、立派になるんだぞ!
やまなめくじって、下界でみる一般のなめくじよりも分厚くて硬いんだよ。
想像よりも硬いから、見かけたら触ってみてね。


神々しいなぁ。
こんなところを歩いて行けるなんて本当にしあわせ。

湯俣分岐から東沢乗越までは人の大きさくらいの岩がごろごろ突きたって堆積しています。
思っていたよりもワイルドな道でした。

とってもたのしい!

岩に気を取られて、歩きやすいところをぴょんぴょん行くと、ルートから簡単に外れてしまうので気をつけて。笑
凄く広いから、いつの間にか主稜線から逸れたりしてる。
マーキングはしっかりあるので、テンションが上がりすぎなければ見落とさないと思います。
ガスるとちょっとわかりにくいかもしれないなぁ。


とても展望のいい休憩ポイントで、小屋で一緒だった方に追いつきました。

「雲ノ平に泊まろうと思ったけど、あまりにも天気がいいし、大好きな鷲羽岳も槍ヶ岳もとても良く見られて贅沢な場所だから、ここで存分にゆっくりしてから戻って湯俣から下山するよ。時間はいくらでもあるから、またくればいいんだ。」

と、景色を眺めながらにこやかに話してくれました。
そうやって好きなところで、好きな時に、気の向くままに旅を楽しんでいる彼がとても素敵だなぁと感じました。
わたしも風の向くままふわふわと、旅ができるようになったらいいなぁ。

そんな彼のお気に入りの場所で、記念にパチ!
槍ヶ岳はちょっと雲に隠れちゃったけど、鷲羽岳はとっても美しい!

水晶岳までの稜線はアップダウンもあり、ちょこちょこ疲れる。
それでも、ひとつひとつのピークに立つたびに心が躍るような山々の姿が待ってると思うと勝手に足が前に出ます。

am8:00 東沢乗越

ここにはお地蔵さんが待っていました。
思わず手を合わせて、ここに来れた事、歩けている事、いつもわたしを気にかけて支えてくれている仲間達、さっきまで一緒にいた野口五郎のみんな、関わってくれたみんなへの感謝を伝えました。
それから、これからの旅も素敵な出来事に恵まれて無事に帰れるように見守ってくださいね、とお願いをしました。

色とりどりのお花に埋め尽くされる山肌。
綺麗だなぁ。
たくさんのミツバチが、せっせかせっせか蜜を集めて運んでる。

イワギキョウの薄紫の色がとても好きです。
イワイワして歩きにくく足元ばかりを見てしまいがちな岩稜歩きの時でも、バランスを取るために置いた岩の間から凛と咲いた姿で癒してくれます。

水晶岳小屋までの最後の登りで振り返ったところ。

裏銀座は行程が長いのでみんなザックが大きかったのが印象的でした。
そして烏帽子小屋〜野口五郎小屋までの間は稜線ひとりじめ、野口五郎小屋〜水晶小屋までの間にすれ違ったのもたったの3人とかなり人が少なかったのも印象深いです。
静かで贅沢な山歩きを楽しめました。

am8:40
こじんまりした可愛い水晶小屋。
スタッフのお姉さんがとても気さくで可愛らしかったです♡

ここまで来ると一気に人が増える、びっくりするくらい増える。
新穂高から双六〜三俣〜水晶のセクション裏銀座ツアーが大人気のようで、ツアーの団体さんがこのあたりの各小屋を占拠していました。
2人で1つのお布団事情だったようです。
わたしは運がいいのか平日ハイカーだからか、ぎゅうぎゅうな小屋で寝た経験がありません。
いつかは経験するんだろうか.....ぶぇー

水晶小屋にザックをデポして、アタックザックに必要なものを詰め込んでGO!
ピークまではコースタイムで片道40分の道のりです。

水晶岳の取り付きまでは、アップダウンのない穏やかな稜線歩き。
右側に野口五郎岳を望み、左側には雲ノ平や薬師岳が見えます。

平たく広がる雲ノ平。
赤い屋根の小屋がちょこんと建っているのが見えます。

水晶岳は岩場を登って行きます。
結構急なところもあって、高度感もありました。
ストックを使って登山している方は、みなさん取り付き場所にデポしていました。

話は変わりますが、わたしはいつもストックを使いません。
買ったはいいものの、使い方が下手なのかストックが足に絡まる(?)のです!笑
でも、使うと上半身も鍛えられると聞いたので練習もかねて低山から導入してみようかなぁ。

ちょこちょこ梯子もあったり。
ピークに行くまでにこういう岩場があるととっても楽しくて好きです。

トラバースもあって、とても細いところもあるのですれ違いに気をつけて。
向こうからくるハイカーさんが通過するのを待っているところ。


もくもく雲がわく。
カールにたっぷり雪が残ってて、その上に動物達の通り道があったりして。
動物はすごいなぁ...

am9:20
水晶岳についた時、残念ながらガスガス状態。

水晶岳/2986m
黒部川源流部の最高峰の百名山、水晶岳。
名前の由来は水晶が実際に採取されるところからきています。
山肌が黒いので、別名で黒岳と呼ばれたりもしています.....が、水晶岳のほうが絶対的にかっこいい名前ですよね。

風もあるので、雲が晴れるのを待とうと座ってあたりを見回すと.....
水晶岳最後の登りの取り付き場所のハイマツがもそもそ揺れてる!

『雷鳥だっ!!!』
思わず声が出て、山頂から駆け下りる。

よっこら....

わさわさ、ばさばさ

雷鳥が砂浴びしてる〜!!!
登山道のど真ん中で〜!!!!!!!

雛も4羽ほどちょこまかと遊んでいました。
いやぁーかわいい〜♡

完全なる保護色。笑
手前にいる雛も完全なる保護色すぎて、ブログを書いている今、雛が写っていた事に気がつきました。笑

何度出会っても、その度に大興奮してしまいます。
驚かさないように少し離れたところから、撮影した枚数は36枚。
だって可愛いんだもん。

雷鳥を心ゆくまで見て、岩場をてってこ下りる。
振り返ると水晶岳が晴れて姿をしっかり出していました。
5つも小さなピークを越えて行く山だったんだねぇ。

水晶小屋付近から見る、水晶岳。
穏やかな稜線と、少し険しい岩登りとギャップの楽しめる面白い山。
キラキラと輝く水晶が混じった石が美しく、足元に目を落としても美しい山。
たくさんの魅力に溢れた素敵な百名山でした。

さてと、まだまだ今日の先は長いぞ。
とりあえず、さっき眺めていた雲ノ平を目指して歩き出そう!

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縦走2日目の前半はここでおしまい。
長くなるので後編はまた次回!

後編は、水晶小屋〜ワリモ北分岐〜祖父岳〜雲ノ平〜高天原山荘です!

・裏銀座縦走2日目後編へ続く





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○コースタイム
野口五郎小屋(5:55)---野口五郎岳(6:05)---湯俣分岐(6:45)---休憩20分---東沢乗越(8:00)---水晶小屋(8:40)---休憩15分---水晶岳(9:20)---水晶小屋(10:00)
※休憩など含め、計3時間55分

○アクセス
行き/七倉ダム・七倉山荘前(駐車場あり)
※毎日アルペン号で深夜発、朝着可。7月末は片道7200円でした。
※七倉からタクシーで高瀬ダムまで20分/約2200円
※ゲートが開くのは5:30または6:30(シーズンにより変わります)

帰り/上高地から高速バスにて新宿
※さわやか信州号が事前予約できれば新宿まで直通で帰れます。6200円。


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