大迫力の大雪渓!
山をはじめて北アルプスを知って、
その頃は、日本アルプスが何なのか良く知らず。
はじめて間近で見て感動した山が雪の穂高だったから余計にそう思ったのかもしれないけれど、
アルプスって名前が付くほどの山なんだから、一般登山者には登れっこない山脈なんだろうと勝手に思ってた。
だから雪の上を登るだなんて死ぬイメージしか湧いてこなかった。
だけど、大雪渓を登る登山者の姿を写真で見た時に、
それから数年が経ち、ついに白馬岳に登る時が巡ってきた。
まさかの残雪期の5月、
アルプスを知らず大雪渓に恐怖を感じていた数年前のわたしが聞いたら
今日はやまのぼりじゃなくって山スキーだよーっ!!!
........うそです。
これはリンゴ兄さんのスキー装備を背負わせてもらったのです。
ズシっと重さ約20kg。
板とかスキーブーツってすごく重たいんだね....衝撃!!
猿倉駐車場からスグ、赤い屋根の猿倉荘。
小屋の前にトイレがあるから出発の前にしっかり出して行きましょ。
からだは少しでも軽くして行かないと〜!!
猿倉荘には登山届けを出すポストがあります。
毎回事前に書いて持ってくれば楽だなぁって思うんだけど、毎回忘れちゃう〜。
次こそは〜!!笑
(きっと忘れる。)
「バカな子だね〜」って言ってるタチ子ちゃんの板を見てみると、お花柄のところにてんとう虫。
本物のお花と間違えちゃったのかな?笑
さてさて、そいだら行きますか!
猿倉荘の横から登山開始です。
ここから白馬尻小屋までは約1時間、その半分が林道歩きになります。
登山道にはツツジがちらほら。
新緑の明るく眩しいグリーンに可愛らしい彩りを添えてくれています。
途中、鑓温泉への分岐があります。
標高2100mにある雲の上の絶景温泉......たまらんなぁ。
いつか行ってみたい山の温泉のひとつ。
去年高天原温泉に行った時は標高2000mはあったけど、森の中の沢沿いのしっぽり系の秘湯だったので絶景らしい絶景じゃなかったから。笑
林道歩きは楽しいものじゃないけど、目の前に登るべき白馬岳がドーンと見えるのでわくわくします。
まだまだ距離があるんだねぇ...本当にあそこまで今日行くんだよね?笑
シーズン前の5月中旬。
雪どけ水が勢い良く流れる沢にはまだ橋が架けられていないので渡渉を強いられます。
大きめの石を探してきて足場を作ったり濡れないように頑張るけど、結局はザブーっ!笑
途中、林道からそれて山道に入れるところがあるんだけどスキー板を背負った2人は枝が引っかかっちゃうのでそのまま林道へ。
(雪がある時期は林道を進むべし。)
雪山登山装備のわたしとモト兄さんは梯子が掛かっている方に突撃してみることに。
おや.....道がよくわからないね。笑
今まで雪に埋もれていた樹々は雪の重みでしだれて、バキバキに折れていたり。
融けた雪水に流されて転がってきた石や砂で荒れ果てている〜
下におりたら沢に出ちゃうし、そもそも林道は上に続いているから登らなきゃ行けないはず。
なので.....
わさわさ、わさわさ。
がさがさ、がさがさ。
思わぬプチ薮漕ぎ体験。林道と合流するであろうところを直登です。
もろい小枝を掴み、笹の根を掴み、歩きはじめて1時間もしていないのに砂まみれになりました。笑
正規ルートに戻って林道を進むと、再び渡渉です。
わぉ...結構な勢い〜。
そのままジャブっと行くか、上から巻いて行くか.....さぁどうする〜??
もりゃー!!!
アプローチシューズにメッシュのスニーカーを履いていたリンゴ兄さんとタチ子ちゃんの靴はびっちょんこです。笑
(翌日下山すると、全てに丸太が架けられていました。笑)
沢を渡り終えたら、踏み抜きに注意しながら木道歩き。
そして白馬尻小屋の少し手前からしっかりと雪の上を歩くようになりました。
白馬尻小屋はまだ雪の中。
青いモト兄さんの下、屋根の部分だけちょっこし出てきていました。
これでも例年とは比べ物にならないくらい雪が少ないんだそうです。
雪渓の上に転がっていたカモシカのヒヅメ。
わたしは何を思ったのか、おもむろにヒヅメの匂いをくんくん。
以外と臭くないんだなーって割れたところに鼻を近づけると『わっ!!くっさ!!!』
何とも言えない生臭い獣臭と腐った肉のような刺激臭.......
このあと臭いを思い出しては気持ち悪くなりました。笑
(だけどすごく貴重なもののような気がして、ポケットに入れて持ち歩いていました。笑)
雪渓の上では雪の色々な表情を見る事ができます。
クラックやスノーブリッジ、ゴロゴロ転がってる落石とか。
雪渓の両サイドは雪が薄くなっていたり、落石の危険もあるのでなるべく真ん中を歩きます。
融けて小さくなったデブリは、とろけたマシュマロみたい。笑
大雪渓だから当たり前なんだけど、とにかくひたすら雪渓の上。
雪渓の終わりは、ずっと向こうにみえるラインよりもーっと先。
この日は風がなくてものすごく暑かったなぁ....首に巻いていたバンダナもあっという間に汗でビッショリ。
だけど風が吹こうもんなら一気に冷えるから、この時期のウェアリングはやっかいだなぁ。
普段使わないトレッキングポールですが雪がある山では活用してます。
これを使うと上半身が筋肉痛になるんだよなぁ...使い方がへたくそすぎるんだろうな。笑
前を見れば小さくチラホラと数人の登山者さんが見えました。
写真だと落石なんだか人なんだか見分けがつかないけれど。笑
残雪期の大雪渓は両脇の斜面にも雪がついているおかげで、スーパー大雪渓だね!
じゃら....ジャラからころカラカラ.....
左側からなんとなく音が聞こえるなって見てみると、雪がゆっくり崩れて行くところでした。
気温も高くなってきて雪もどんどん緩み、融けていく。
厳冬期みたいにドドドーンって雪崩れることはないんだろうけど、緩んだ雪と一緒に雪の下から岩が転がってくるのが恐いなぁ。
こうやって見ると、あのスカイラインまで1時間半くらいかな〜って思うんだけど、実際は2時間半くらいかかったりする。
3時間ほど歩いたところでお昼休憩にしました。
落石が転がってこなそうなところを選んで、周りに注意しながらのデンジャラスおひるごはん。
最近のお気に入りはLOWSONの大きなおにぎり。
3種類の具が入っているからお得感があっていいし、おにぎりを2個持って行くよりも手間が省けて好きなのです。
落石が転がってこなそうなところを選んで、周りに注意しながらのデンジャラスおひるごはん。
最近のお気に入りはLOWSONの大きなおにぎり。
3種類の具が入っているからお得感があっていいし、おにぎりを2個持って行くよりも手間が省けて好きなのです。
滑らないように板の裏にシールを貼って、シュワンシュワンみたいな音を出しながら登ってる。
シールを貼るだけで、後ろにシューって滑り落ちて行かなくなるのが不思議〜
元々はアザラシの毛で出来ていたというシール...野生動物ってすごいなぁ。
うーん、先は長いねぇ。
前を見ても前を見ても、ずーっと同じ景色。
変わるのはスカイラインの位置と雲のかたちくらい。
それでも大雪渓のはじめての景色にわくわくが溢れてるわたしは、変わらぬ景色にも飽きることなく心躍っていました。
振り向けば、霞んでいるけど火打や妙高も見えたよ。
この雪渓が続く下からずーっと登ってきたんだなぁ。
こうやって見ると遠いなぁ。笑
雪渓の左には天狗菱が目立つようになってきました。
近付くほどに目を奪われる雄々しさ。
登るほどに鋭利に姿を変えて行くから、ずっと見ていても飽きないよ。
天狗菱にポーッと見惚れながら登っていると、急に傾斜が緩んだ。
このあたりが葱平なのかなぁ?
ここから先、お花畑避難小屋までがギューンと斜度がキツくなります。
夏山シーズンであれば、このあたりから夏道になって登山道がしっかり出てるはずです。
写真の真ん中あたりに露出してる岩は一部夏道を示すマークが付いていました。
そうそう、リンゴ兄さんに借りてきたヘルメットをせっかくなのでかぶって行くことにしました。
大雪渓は歩いてみるとよくわかるけど、思った以上に落石の宝庫。
雪の上を転がる岩は、音が雪に吸収されてしまうので気付いた時にはすぐ目の前に!なんてこともあります。
雪渓を歩く時は周囲にしっかり観察して、休まず一気に通過するように心がけて下さいませ。
あのスカイラインまでいざ行かん〜!!
「登り切ったら終わりじゃないんだよな...そこからがまた長いんだよな...。」
ってモト兄さんのウワゴトが聞こえた気がするけど、聞こえなかったことにしよっと。笑
グリーンシーズンもそれはそれは美しいんだろうけど.....
色彩を抑えた残雪期の今も、陽の光の陰影で輪郭が浮き立ってものすごく魅力的だよ。
この登りのキツさ伝わるでしょうか〜
雪がゆるんでグズついて、一歩進むごとに半歩ズリ落ちるので進み具合がよろしくないです。笑
あっという間にふくらはぎの筋肉が張ってきちゃう。
先に登った人のステップのないところの方が登りやすい〜
どうどう、天狗菱効果でわたしアルピニストっぽく見える?
ふへへ。
向こう側にいるみんなもわっせわっせ登ってる。
わたしとモト兄さんは10本&12本アイゼンをはいていたけど、リンゴ兄さんとタチ子ちゃんはアイゼンを付けずにスキーブーツで上がってくる。
ブーツの重さを活かしたキックステップ、ガシュっガシュっ!!
真横には大迫力の天狗菱、この尖り方...もはや槍ヶ岳だね。笑
大雪渓を登れば登るほど穂先を鋭く大きく見せてくれる天狗菱。
勇ましくて惚れ惚れしちゃうなぁ。
こんなに槍っとしてるのに、なんで○○槍って名前がつかないんだろ。
蝶ヶ岳の蝶槍より立派に槍ってるんだけどなぁ。笑
上から写真を撮ると急斜面なのがよくわかる〜
この角度なのに尻セードの跡があったんだけど、ここを滑り下りた人って変態なんだな...って思ったけど、この2人も滑る人だったね。笑
山の仲間達はみーんな愛すべき変態〜♡♡
ハイマツの中から、「グッ...ぐぇぇ..くぇぇ」っておかしなダミ声が聞こえてくる。
雷鳥の鳴き声ってどうしてこんなに可愛くないの。笑
その媚びないところが逆に可愛いのかな。
早く雛を連れて歩いている姿が見たいなぁ...恋の季節がんばるんだぞ〜!!!
大雪渓をやっとこさ登り切って、お花畑避難小屋に到着。
ここも白馬尻小屋と同じように屋根までが雪から顔を出している状態でした。
思った以上にお腹が空く大雪渓の登り...雪がグシュグシュに柔らかくて、一歩進むたびに半歩足が下がるから筋肉が疲れるのが早い〜。
バリのお土産チョコバーをもぐもぐしながらちょっとひとやすみ。
だいぶ陽も落ちてきたね。
ここから白馬山荘までは1時間ちょっとの距離、もうひとふんばりだね。
刻々と範囲を広げていく影。
影になると途端に気温が下がって寒くなるし、なんとなく心細くもなる。
この影をさっさと抜けて、まだお日様が照らしてくれている稜線に早く出よう〜
頂上に1番近いのは白馬山荘なんだけど、なぜか頂上と名前がついています。
今はまだ小屋開けしてないけど、高山植物の咲くハイシーズンはお花畑に囲まれた素晴らしい立地の小屋なんだろうなぁ。
右側を見れば、稜線の上に乗っかる白馬山荘...かと思いきやあれはレストランのスカイプラザ白馬だね。
このすぐ隣に白馬山荘があるんだけどまだ見えない。
山の上で、山だとは思えないくらいクオリティの高い食事が食べられるんだって。
夏に再訪する予定があるので、その時はスカイプラザで食べようって今からすごく楽しみにしています。
杓子岳と白馬鑓ヶ岳に白馬岳の陰がかかる。
山の陰を抜け出して、再び光の当たる眩しい道。
夏道は雪の下なのでここもグイっと直登です。
せっかく汗が乾いていたのに最後に走ってしまったからまた汗かき...
西日に照らされて優しい色に染まった丸山に続く稜線と、その向こうに見える山のシルエット。
奥には劔岳も見える〜。
向かい側には旭岳。
そして後ろを振り向けばツンと尖った白馬岳と、でっデカ....
ものすごく立派な白馬山荘がデデンと待ち構えていらっしゃる。笑
こんな大きな小屋を見るのは初めてで、ポカーンと開いた口が塞がらない。
北アルプスの大人気の山小屋のポテンシャル高すぎる。
夏山シーズンはこの大っきい小屋に人が溢れるほどなんでしょ.....いったいどれくらいの人が白馬で同じ夜を過ごすんだろうか....。
夏に再訪する予定なんだけど、ちょっとこわいよ〜
今まで比較的空いている山行ばかりだったから、今年の夏はついに北アルプスの洗礼を受けることになりそう。笑
白馬岳から続くこの3つの山は白馬三山と呼ばれています。
今回は縦走できないけど、いつか白馬三山ぐるっと周回してみたいなぁ...もちろん最後は鑓温泉に入って帰るんだ〜。
大雪渓から登る白馬岳は、この稜線に出るごほうびタイムまでの道のりが長い〜!笑
なかなか開けた景色を見せてくれないし、まだかーまだかーって前を何度見たっていつまでも雪渓が続く。
だけど頑張って登っただけの喜びはひとしお!
絶対にがっかりさせない白馬品質の絶景が待っててくれます。
(だから、絶対晴れる日じゃないと登りたくないなと思った。笑)
遅い到着で申し訳ありません.....な時間に到着です。
スタートが遅かったので到着も遅くなり、小屋のみなさんに心配をかけてしまっていました。
まだ残雪期(夏山シーズンだとしても)に遅い時間に到着するのは事故のリスクも高まってしまいます。
到着を待ってくれている人がいるってこと、忘れちゃいけませんよね。
ご心配をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。
部屋に荷物を置いて、ぐぐーっと伸びをして。
とりあえず先ずは乾杯しなきゃ!
プシュっ「おつかれ〜っ!!」
ひとくちふたくちグビっと飲んだら、そのまま缶を片手に食堂へ。
白馬山荘の夜ごはん。
おかずもいっぱいだしオレンジも付いてるし。
お米をきっちりおかわりして、あっという間にぺろりと平らげる。
食事のあとはお部屋に戻って飲み直し。
ラムとコーラでラムコークを作ったら美味しかった〜♡
タチ子ちゃんはチューチュータイプの松竹梅を寝転びながらちゅーちゅー。笑
モト兄さんは小屋に着いてすぐ飲んだハイボールにノックアウトされちゃって、すやすや。
.......わたしもちょっとねむい...
えっ!!!
何このトイレ、美しすぎるしハイテクすぎる〜!!
見てみてー!!!
トイレひとつひとつに消毒するやつが付いてるよ〜!!
こんなのある小屋見たことない.....さすが白馬山荘....高ホスピタリティ....
寝る前だというのに衝撃で目の覚めた、就寝前のトイレタイムでした。笑
消灯する前の夕暮れに浮かぶ、灯りの付いた小屋。
外はすごく寒くてフリース1枚で出てきちゃった自分を恨むけど、部屋に上着を取りに行くのは面倒くさい。
寒くて歯がカチカチ音がするまではこのままでいいや。笑
寒さに耐えきれなくなったら急いで小屋の戸をあけて、ストーブの前でぬくぬくしよう。
楽しかった1日がもうすぐ終わって、自分も目をつぶって真っ暗な眠りについてしまうと思うと寂しくなる。
まだまだ山の時間をみんなと楽しみたいのに!
山の夜はとっても早い....だけど朝もとっても早い。
早く寝れば早く楽しい明日の朝がくるから、やっぱり早く寝よう。
おやすみなさい。
2日目へ続く
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○コースタイム
※雪山&スキー装備なので参考にならないかもしれません
1日目
猿倉荘(10:45)---白馬尻小屋(12:00)---避難小屋(15:55)----白馬山荘(17:50)
※休憩時間計40分含め、7時間5分
わーい変態だー^^そんなホメララレテもなんもでないぞー笑
返信削除変態は最高のほめ言葉〜ヽ(^ω^)ノ
削除シューっと爽快に雪渓を滑る姿、かっこよかった〜‼︎
今週末から白馬三山縦走に向かいまする。初日は村営頂上宿舎で2日目は白馬鑓温泉小屋です。のんびり山行です。
返信削除ついに今週末!ですね☆
削除本当に贅沢なコースで、わたしも付いていきたいです。笑
お花がいっぱいの白馬岳は美しでしょうね〜♬
鑓温泉のセクシーショット楽しみに待ってますね(*'∀'*)笑