2016年6月17日金曜日

2016年5月1日 乗鞍岳3026m-風の唸り声と白だけの世界、ホワイトアウト【北アルプス】


ここが俺らの山頂だ〜!

前日、雁坂テン泊の旅から下山してきたわたしを麓の町でピックアップしてくれたリンゴ兄さん、タチ子ちゃん、モト兄さん。
車に乗り込むと早速タチ子ちゃんが「ちゅーちゃんお疲れ〜」って缶ビールを手渡してくれた。
ふぉぉぉ〜!いいの?いいの?
運転してくれるリンゴ兄さんとモト兄さんに「ごめんねぇちょっとお先に〜」ってタチ子ちゃんとカンパーイ♡♡♡

ふは、しあわせ〜

車は山梨県を脱出して長野県へと向かいます。
今日は宿に泊まって、翌朝に乗鞍岳へレッツゴー!の予定なのであります。

翌朝。
アルピコバスにゆらゆら揺られながら位ヶ原山荘へ向かっています。
(雪がまだ多いので肩の小屋口、畳平まで行けません)

昨日は乗鞍岳の麓にある“ヒュッテほし”に宿泊。
夕食をいただいて部屋でゴロゴロしていると、ロバさん家族も到着して合流完了〜!
大人6人・子供1人の大所帯となりました。

大きくて立派な位ヶ原山荘。
この時期にバスが入れるのは位ヶ原山荘までとなり、乗鞍岳山頂へはここから歩いて行くことになります。
夏山であれば畳平までバスで行けるので、標高3026mの山頂まで1時間30分で登れてしまいます。
3000m峰に1時間ちょっとで登れるって...すごいよねぇ。

ほとんどの人が山スキーの人達で、登山装備の人は2割くらい。

今日はリンゴ兄さんとタチ子ちゃんの2人は山スキーなんだよ〜
ベリベリっとシール(これを板に付けると斜面で滑らない)を貼って準備中。
山スキー...というかスキー・ボードを全くやらないわたしは興味津々です。

ロバさんの息子、ロバJr.君はおむつが満水になってしまって固まっています。
動いたら溢れちゃう?!笑

準備を整えたらレッツゴー!
ここを左に曲がったところから、位ヶ原の雪面を登って行きます。
右からモト兄さん、リンゴ兄さん、ロバさん。
後々ロバさんの装備(?)をアップにしますのでお楽しみに...笑

位ヶ原の登りはこんな感じ。
埋もれてしまった樹々の間を縫って、登りやすいところを好きなように。

お天気はどんより。
天気予報では晴れマーク出てたんだけどなぁ....って麓の町の予報だからなぁ。
雲の下では晴れてるってパターンだ。

後を振り向くと重たいスキーを背負ったリンゴ兄さんとタチ子ちゃん。
「重たくてのろまな俺らは置いてってくれ〜」って。笑
それでも早いんだからすごいパワー!


前にはモト兄さんとロバさん。
......ロバさんの背中から小さな足が生えている?!

ぬわぁ〜!
ロバJr.君を背負って登ってる〜!!!
背負子の重さと体重を合わせると16kgくらいあるんだって。
夏山では子供を背負ったお父さんを見かけることはあるけれど、雪山でははじめてみたよ。笑

位ヶ原を半分くらい過ぎるとガスが濃くなってきました。
このあたりはこれでもまだ視界良好なほう。

ハイマツも雪に埋もれてぺったんこ。

風も強いから、あっという間に葉が凍って真っ白になっていく。

氷の花火。
触ると氷がしゃららーって舞い飛んで行く。

斜面を登り切ったところでハイマツが広く出ているところにぶつかって、その脇に沿うように進んで行きます。
先を歩く人達の姿がどんどん見えなくなってく〜。

前を行くモト兄さん。
前方が全く見えなくてはっきりと方角を意識できないから、進むのがちょっと恐い。
このあたりから、乗鞍岳を1度も登っていなくて地形が頭に描けてないわたしはじわじわと恐怖感が。

肩の小屋に到着です。

ロバさん達もあとから到着。
ロバJr.君、寒くないかな〜元気かなぁ〜って見てみると
......え?!ぐっすり〜??!笑
さすがロバさんの息子だ.....すごくタフ!!笑

そんなに歩いてないけどお腹はすく。
山の餡ドーナツのエリクサーっぷりったらもう。
高カロリーは正義、高カロリーは正義、高カロリーは正義〜!!

相変わらずお天気は悪くて風も強くなってきたので、ロバさん家族が進むのはここまで。
ロバJr.君が起きたらバスの時間までソリして遊んでるよ〜って。

真っ白だけど、行けるところまで行ってくる〜!ってロバさん達にポーズ!!
リンゴ兄さんとタチ子ちゃんはスキーだし、なるべく上まで行けたほうがいいもんね〜

山頂が全く見えないしトレースもないので、夏山を思い出しながら進んで行くモト兄さん。
肩の小屋から左に巻くようにザフッザフっと雪を飛ばしながら。
10m先が見えないので、上から急にスキーの人が現れたりして驚く!笑

でも、あれ...?
さっき感じてた恐怖のもやもやが、治まったと思ったのにまた沸き上がってきたよ。
よくわからないけどヤダ、どうしてかわからないけど不安になる。
不穏なモヤモヤを感じたまま、ただただ歩いて行く。

こわい。
まだロバさん達から別れてそんなに時間は経ってないのに。
風がものすごく強く、冷たくて。
ぐるっと周りを見渡してみてもどこもかしこも真っ白で。
まだ近くにいる仲間の姿も見えるし、声も聞こえる。
でも、目を瞑ってみると姿は見えなくて、聞こえるのは強く吹きつける風の音だけ。
その瞬間、心にぽっかり大きな穴が開いたみたいな心がスーッと冷たくなるような.....ゾワっとした。

もしここで1人きりになったらきっと遭難してしまう。
今日はみんながいるからなんとかなるかもしれないけれど、1人だった場合に自分で対処できないならここはこれ以上進んじゃダメだ。

だから、『わたしはここまでにする。』って悔しいけど言葉にしました。

まだ先に進める仲間達もわたしに付き合って一緒に下山してくれることに。
ここが俺たちの山頂だ〜って記念撮影。
風の強さを表現したポーズで!笑
(こうやって見返すと、何だ以外と余裕あるじゃんって思うんだけど、当時は恐怖しかなかった〜。)

スキーだからすぐ追いついちゃうから先に歩いててって言うリンゴ兄さんとタチ子ちゃんと別れて、モト兄さんと一緒に下りて行く。
相変わらず真っ白で、さっきまで登ってきた自分のトレースは強風であっという間に消えていて。

あれ。
ここ、どこだっけ?肩の小屋って左の方角だったよね?
でもトレース消えちゃってるし.......あれ?
こっちだよねーって上にいるはずの2人の方を振り向くと、ただ真っ白で2人は見えない。
どんどん下っていくモト兄さんの後ろ姿は今にも白の中に消えて行きそうで。

こわい!こわい!
下手に動いたら余計に自分の場所が分からなくなってパニックになるから、立ち止まれ!
前後左右どこをみても何も見えない。
暗闇の中で目を開けても見えないのは理解できる。
暗闇じゃないのに、本当は見えるはずなのに.....
目を開けているのに見えないっていうのは、想像以上に恐怖だ。

先を行くモト兄さんに声をかけても、風の唸り声でなかなか届かない。
呼びかける自分の声すらよく聞こえないほどで。
でもモト兄さんの姿だけは見失わないように絶対に離れない!

「呼ぶ時は笛1回、返事は2回、困ったら3回吹くんだよ。」
別れる時に決めた笛の合図。
とにかく必死でピーッ!って間隔をあけて1回ずつ。
..............返事が聞こえない!!
もう1回、ピーーーーーーーッ!!!!

リンゴ兄さん?タチ子ちゃん?!

「笛の音、方角がわかって助かりました!ありがとうございます!!」

って違う人〜!!
リンゴ兄さん、タチ子ちゃん........
ピーーーーーーッ!!
ピーピー.....ピーピー........

あ!返事の笛が聞こえた気がする...
だけど少しすると聞こえなくなって、あぁ幻聴だったのかな....って。

「お、いたいた〜!ちゅーた〜!!」

って笑顔の2人が滑り下りてきた。
心の底からホッとした、ほわって体温が温かくなったみたい。

多分晴れてたら肩の小屋までは15分の距離。
それにこの真っ白に覆いつくしているガスもきっとそんなに分厚いものじゃなくて、一時的に強まっているだけのものだったと思う。
だけど真っ白に制圧された時の恐怖は、今までに感じたことがないくらい色んな感情が交じり合って何も考えられなくなるほどのものでした。

「ごめんなぁ、ちゅた乗鞍登ってないもんね、地形わかんなくて恐かったよなぁ」
「先にGPS渡しておけばよかったねぇ」ってGARMINを渡してくれて。

........でも操作方法よくわからないよ。笑

みんな揃ってホッとひと安心。
仲間がいることの心強さを、半泣きになるほど感じました。

ちょっと離れただけで、またみんなが消えて行く。
だけどホワイトアウト感を伝えたくてみんなが消えそうなギリギリまで立ち止まって撮影してみる。
............ふぁっ!やっぱ離れたくない!待ってまって〜!!

あぁ...なんだか心が.....疲れた。
やっぱり雪山になる前に、夏山をきっちり登っておかないといけないよなぁ。
普段はしっかり調べて山をイメージしてから登山するんだけど、今回は仲間に頼りっきりだったのがいけなかったね。
ただくっついて行くだけじゃ、いざと言う時に行動できなくなってしまう。
山に対して気持ちが緩んでいたんだな。
大反省です。

自分が不甲斐なくってやつあたり。笑
『うぅ〜こわかった〜くそー行けなくって悔しいなぁ〜』ってこの木にボヤいていたのは内緒。

雪に埋もれて背の低くなった樹々は少しだけ苦しそう、まだまだ雪はなくならないけれど春が来て芽吹くときが楽しみだね〜。

きた道を戻って行くと、徐々にガスが取れてきた。
ほら、やっぱりあの時の真っ白は一時的なものだったんだ。

まだバスが出るまで時間があるのでここでおやつ休憩をすることにしました。

ヤギ太郎も恐かった?
あーあ、雪まみれだね。

元気を出すには大好物の大福が1番!!
あんこの入っていない豆餅は大人味、冷え冷えでかたくなって食べごたえup〜!!

お腹が満たされて安堵感でいっぱいのわたしは、リンゴ兄さんとタチ子ちゃんが拾ってきたヒップソリで遊ぶ余裕がでてきました。笑
みんなで順番に何度も何度もシューっ!!

さっきまで信じられないくらい恐怖にブルブルしてしょんぼりしていたのに、あっという間にニッコニコ。
反省する気はあるのかないのか.....笑

(ヒップソリ動画)

少し休んで下山を始めるころには、すっかりとガスも取れていました。
位ヶ原山荘もしっかり見えてるし。

帰り際に天候が回復するのは良くありすぎる山あるある。
こうなると悔しさがふつふつと沸き上がってくるんだけど、今回に至ってはホっとした気持ちが勝ちました。笑
自分が恐いと思ったらそれ以上は進まないのがわたしのルール。
次の山を楽しめる為に安全第一!!
ホワイトアウトの恐さを心にしっかり刻んだので、またいつかこうなった時にもう少し対処できるはず。

位ヶ原の向こうに、とっても大きな雲のかたまり。
山だとばっかり思っていたら雲だった。笑

帰りのバスに乗り込んで窓の外を見てみると、時々だけど乗鞍岳の山頂が見えたりして。
次ぎにくる時は晴れでひとつよろしく!
ちゃんと夏山の時にくるからさ。

“ヒュッテほし”に戻ってきて、お昼ごはん。
前日に雁坂テン泊で使ったデカ鍋を再利用してラーメン祭り!!笑
相変わらずお玉がないから紙コップでスープをすくう。

食べた後は、「ゆっくり温泉に入って下さいね〜」って宿のご主人のご好意に甘えまくりで、夕方くらいまで居座ってしまいました。笑
本当にお世話になりました♬

帰りに食べた夜ごはんは山賊焼きご飯セット〜!!
最後まで天ぷらにしようか迷ったけど、今日は肉が食べたかった。
(結局揚げた肉だけどね。笑)

リンゴ兄さんとモト兄さんの運転に甘えて、タチ子ちゃんとわたしは後部席でグースカぴーすか。
くっついてたから暖かくて爆睡してしまいました。
2人もいつも運転ありがとう〜!!
みんなおつかれさまでありました〜っ

.....
乗鞍岳、今回は山容すら見ることができなくて残念でした。
夏であれば2700m地点までバスでぴゅーっと行けちゃう観光地でもある乗鞍岳。
季節と気象条件によっては、こんなにも荒れて恐怖を感じさせる山になる。
それはどの山でも同じことだけど、特に冬・春のアルプスはそれが顕著だなぁと再確認。
山頂に行けなかったし、いい景色に会えなかったのは残念だけど、晴れてご機嫌な山ばかりに行っていると山にしっぺ返しされた時にパニックになるから。
今回は自己管理だったり危機管理だったり改めて考えさせられる良いきっかけになりました。

それでも山は晴れがいいに決まってる!!笑
次の山はきっと晴れ〜!!


.....
○コースタイム
記録なし

○アクセス
行き/アルピコ交通バス 鈴蘭バス停〜位ヶ原山荘バス停
帰り/----
○今回のやまのぼりアイテム


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4 件のコメント:

  1. ごめんよー
    おそろしかったろー
    でもそれ正解!
    「ホワイトアウト楽しいね」じゃ危険だもの

    ホワイトアウトすると
    どこをどう歩いてどこにいるか分らなくなるもんね

    うちらは風下だったからチュタの笛はよくきこえたけど
    風上にいると全然違うね

    慣れた山こそ気を付けていかなきゃね
    今度GPSレクチャーもね

    これにこりずまたよろしくヽ|・ω・|ゞ

    次の山はハレー!^^
    睡眠も大事!

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    返信
    1. そうだね!笑
      ホワイトアウトを楽しみはじめたら、それはきっと低体温で死ぬ間際だね!!

      あの時、笛がなかったらわたしはもっと怖かったかも。
      いつも持っていても使い道がなくお荷物だった笛が、一気に笛様に昇格したよ〜笑
      真っ白の中から2人が現れた瞬間は本当に嬉しかった〜♬

      うんうん、睡眠大事〜笑
      しっかり寝ましょう!

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  2. ちゅーたブログ。相変わらず楽しい。
    山賊焼き食べたんだね。取り上げる(鳥揚げる)で山賊焼きなんだってね。

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    1. ありがとうございます〜!
      今回はホワイトアウトに恐怖した記録で、今思い返しても真っ白に包まれて孤独になったあの感覚にはブルブルします。
      いい経験になったし、無事でよかったーって心底思います!
      山賊焼、なるほどー‼︎でも、わたしの大好物の揚げ物だけは取り上げさせないぞ!笑

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